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2011年6月15日水曜日

アンモナイトとシーラカンスの不思議とは!?

こんにちは。Motivation Makerの砂子田です。

梅雨を感じさせないからっとした晴れの6月12日、上野国立科学博物館にてMotivation Maker(=MM)の通期ワークショップ(=WS)の2回目、「街角探検!写真で”宝の地図”づくり」を開催しました!

お天気にも恵まれたせいか、上野公園には様々な年齢層の方がいらしており、MMメンバーにもより一層気合が入ります!

◆不思議なことはいいこと
今回のモチベーションリーダーは職業「研究者」の横田幸信さんでした。モチベーションリーダーとは、子供たちのモチベーションを上げるためにその分野の専門家として大切なことを伝えてくれる人です。横田さんが小学生の時、どんなことに興味を持っていたのか、20歳の時なにをしていたのか、そして今について「研究者はわからないことをわからないと勇気を出して言うことが仕事」と教えてくれました。
普段の生活の中でわからないこと、不思議なことを「わからない!」ということはあまり好まれませんね。けれど今回のWSでは探検ルートの計画を仲間と立て、不思議なものを写真に残し、自分が一番不思議だと思ったものをどんな所を不思議だと思ったかを皆に伝え、誰にもわからないような不思議な写真を撮ったグループに景品を出しました。

今回このような設計にしたのは、子供にとって5つの意味があります。
①探検ルートや時間配分等、自分と仲間で計画を立てて、自分で管理してみる
②街の中に散らばる不思議の種を発見する観察眼を育てる
③発見や気づきを記録(写真やメモ)することへの親しみを持つ
④先生でも親でもない、第三者としての大人(=MMスタッフ)と時間を過ごし、社会の多様性を理解する
⑤身近なことに不思議だな、わからないなと思うことの人生における尊さと可能性、現在の勉強とのつながりを感じる

これらが今回のWSを通じて子供たちに持ち帰ってほしいと考えていた学びです。
子供たちはどこまで吸収できたのでしょうか!?
さて、WSの内容を見てみましょう。

◆まずは秘密基地に集合!
参加者の皆さんと東京文化会館前に集合した後は秘密基地へ移動しました。緑が生い茂った古い木造の基地で…というわけには今回はいきませんでしたが、地下室にてまずは”宝の地図”を作るための準備をします。同じグループになった仲間と共に、限られた120分という時間で博物館のどこを回ろうか、集合時間に秘密基地に戻るためには何時に博物館を出発したらいいか、など話し合います。

◆いよいよ出発!
計画を立て終わった班から、片手にチェキと地図を持って博物館へ出発。今日はしっかり腕時計をして探検です。上野国立科学博物館の館内は日本館と地球館の二つから構成されており、1日いても見切れないくらいの広さです。どんな不思議をみつけるのでしょう?

「これなに!?」「なんで空洞のブロックなのに、たたいても落ちないの?」「なんで、なんで!?」

館内の至る所で子供の興奮した声が上がっていました。時間も忘れるくらい楽しいはずなのに、集合時間にはすべてのグループが秘密基地に戻ってきてくれました。

◆どれが一番不思議かな?
撮ってきた写真を机に並べながら、グループの中で何が一番不思議な写真か話し合います。ひとり最大10枚写真を撮ってきたので、選ぶのに苦戦していた子も。

◆みんなに伝えよう!
自分が一番不思議だと思ったものでも、他の人がわかっていたら自分の楽しみで終わってしまいます。
「ガの羽の丸い部分だけ透けている」→「鱗粉がそこだけないんじゃない?」
「でも、鳥の羽が鱗粉がなくても透けていない」→「うーん…」
といった具合に誰かが発表した不思議に対して、他の子供が自分なりの答えを挙手性で言います。

そしてグループ全員の発表が終わったところで、「このグループの発表が不思議だったと思う人!」と手を挙げてもらい、人数を数えます。
発表する子供は皆の前に立って、自分の席の横に立って、それぞれ発表しやすいスタイルで一人ずつ発表していきます。
「ツル植物には根がないのに、どうして木の方向に伸びていけるの?」→「支えてほしいから」
「絵具だと、赤・青・緑を混ぜると変な色になるのに、光は赤・青・緑混ぜると白になるの?」
「金魚は赤色なのになんで金魚?普通の金魚は赤だけなのに、でめ金はなんで黒もいるの?なんででめ金だけ体がボコボコしているの?」
など、この他にも沢山の不思議を子供たちは見つけていました!
大人が「当たり前」と思っていることを不思議と思い、小さな変化にも興味を持つ子供たちの積極的な姿勢からは学ぶべきことが多くあります。

そして、今回一番不思議だったグループの発見は、
「アンモナイトはだんだん小さな貝に進化したのに、
人間はどうしてだんだん大きくなっていったんだろう」と
「シーラカンスはなぜ昔のままなんだろう」でした。

時代を超えて刻々と変わるものと変わらないもの、その違いはどこにあるのか私にもよくわかりません。ただ、アンモナイトとシーラカンスは誰にもわからない不思議から、大切なことを私たちに伝えようとしているのではと感じます。

今回のWSのテーマである”宝の地図”とは、子供たちが探検した際、「不思議だな」と思って写真を撮ったスポットを手持ちの地図に書き込みながら回っていました。そして戻ってきた時には地図上に10個の印が。わかっていることより、知らないこと、わからないことの方がずっと多い中、沢山の”素直な不思議、わからない”が詰まった地図は宝物なのではと私たちは考えています。

参加して下さった皆さん、ありがとうございました。
来月は食を通じた親子のコミュニケーション、「我が家の定番メニューづくり」を7月10日に開催致します。




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